
司法書士を目指しているのに、わざわざ行政法を勉強してまで行政書士を取るメリットがあるのかどうかはさておき(ぼくはあると思いますが)、簡単に行政書士試験について触れておきます。
ただし、ぼくは187点(試験冊子は残っているのですが、成績表は処分してしまったのでうろ覚えです...)と結構ギリギリの合格だったので反省を交えつつ紹介したいと思います。
また、以下は司法書士試験で基準点が取れる程度の知識があることを前提としますので、ご了承くださいませ。
司法書士試験との重複科目と皮算用
さて、この行政書士試験、そもそも行政書士を目指して試験に臨む場合は相当難しいんじゃないかと思います。というのも、行政法はいいとしても民法、商法(会社法)は勉強しなければならない範囲が広い割に、それぞれ9問と5問しか出ません。激しく学習対効果(?)が薄い気がします。
ですが、幸いなことに試験科目の内、憲法、民法、商法については、司法書士試験と被りますし、一般財団法人行政書士試験研究センターに掲載されている過去問を見ても難易度は問題なさそうです。
ところでこの試験は、180点取れば合格です。(細かい所はこちらの「7合格基準及び正解等の公表」をご覧ください)
その180点のうち、上記の司法書士試験と重複する科目の配点は124点です。
行政法は五肢択一だけでも76点なので、先の他の科目(憲法・民法・商法)の難易度を勘案すると、余裕で200点超えるじゃん!と思ったわけです。完全に捕らぬ狸です。
先に結果を書いておきますと、
科目 | 得点/配点 |
---|---|
基礎法学 | 4 / 8 |
憲法 | 28/28 |
行政法 | 32/92 |
民法 | 36/36 |
商法 | 20/20 |
記述 | 31/60 |
一般知識 | 36/56 |
合計 | 187/300 |
完全になめてました、すいませんでした。180点で合格なので、ギリギリもいいとこです。
というわけで、以下反省に基づく色々
憲法・民法・会社法
勉強する必要は全く無いです。ただし、H21年以降の過去問(一般財団法人行政書士試験研究センターの過去の試験問題のページに掲載分)を見ると、H22年の問題40の知識は知らないし、H26年の問題27、H27年の問題29はそれぞれ解けはするものの、司法書士試験ではお目にかからない論点です。ですので、これらの科目の満点を前提とした勉強計画は立てない方がいいと思います。(反省)
一般知識
一般知識のうち、個人情報保護と情報通信は基本書で勉強しておけばほぼ満点は取れると思います。
ただ個人情報保護と情報通信に関する部分以外は、果たして勉強したからといって得点につながるのかは疑問なので、過去問を解いてみて、自分で不安だと思ったならやっておく程度で良いと思います。先の通り個人情報保護と情報通信はほぼ満点が取れますし、文章理解はきちんと読めばまず落とすことはないです。さらに、「本当の」一般知識で取れる問題もありますので、それらだけで一般知識は合格基準(4割)を超えるからです。
記述
記述については、自分の得点が何でこんなに低いのか、公式の解答を見てもさっぱりわからないです。(この点数は、成績表を処分してしまったので、問題冊子から計算した択一の点数を、覚えている合計点から引いた数値なのですが、そんなに誤差は無いと思います。)
当時の自己採点では思いっきり60点(笑)にしてありますが、けっこう採点がシビアなのかもしれません。
ですので、記述に関しては問題集等でどれくらいの点数が取れるのか事前に確認しておいた方がいいと思います。
論点自体は基本的なことばかりです。
行政法
さて、問題の行政法です。試験会場でめっちゃ難しいやんけ!と思ったことを覚えています。
そもそもの間違いは、基本書の知識で満点近く取れるものと勘違いし、さらにその半分程度の点数を目標として勉強したことです。
司法書士試験の場合は最低でも8割以上は取らなければいけないので、基本書もそのレベルの知識で構成されていることが多いです。一方、行政書士は6割で合格です。ですので基本書もおそらくその6割(+α)を取れるように作られています。
逆に言えば、行政法を6割取るには、基本書をほぼ完璧にやることが必要だったというわけです。つまり、ぼくのように行政事件訴訟法と国家賠償法、地方自治法を捨ててはいけないということです。(反省)
以上、まったく参考にならなかったと思いますが、使用した基本書だけ紹介しておきます。
一発合格シリーズ 行政書士 合格テキスト
なんか内容が薄い気がするんですが、司法書士試験で基準点を超えるレベルなら、行政法を満点とる必要もないので、これくらいでいいんではないでしょうか。(先述のように当該基本書自体が、合格基準の180点、つまり6割は取れる程度の知識で構成されているものと思われます。ですからこの基本書の行政法の知識で過去問をやると難しく感じますがそれでいいと思います。)
試しに当該テキストを使って、ぼくの受験した年の問題を解いてみましたが、92点中58点は取れそうです。(ただし、ぼく自身行政法の知識を完全に忘れ去ってしまっているので、実際はもっと取れるのかも知れませんが...。)
1ヶ月もあれば、行政法と個人情報保護、情報通信は十分マスターできる程度の知識量です。あとは基礎法学くらいは一読しておいた方が良いかも知れません。
ぼくは基本書だけで試験に臨んだのですが、過去問はやっておいたほうが良いと思います。9割取らなければならない試験(司法書士試験)に慣れていると、6割で合格できる試験は難しく感じるからです。(知らない知識を問う問題が多い為)
過去問は前出の一般財団法人行政書士試験研究センターの過去の試験問題のページに掲載されていますが、文章理解の3問に関しては著作権の問題で掲載されていないこと、改正に対応していないことに注意してください。
また、先に述べたように、記述の問題集等はどういった記述でどのくらいの点数になるのかを確認する上で、やっておいた方がいいとは思います。これも自分が使ってないのにおすすめするのは何ですが...。
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